日本国内最大の木材加工機械の総合展示会「日本木工機械展/Mokkiten Japan 2023」(主催:一般社団法人 日本木工機械工業会)が2023年10月5日(木)~10月7日(土)3日間にわたり、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)を会場に開催されました。日本木工機械展は内外の優秀な木材加工機械・林業機械および木質系再利用機器ならびに関連製品等を一堂に展示し、木材加工産業並びに環境産業の発展に寄与することを目的としており、今年で46回目を迎えました。
開会式には当社社長の井上篤博が日本合板工業組合連合会会長として出席し、開場前のテープカットを行いました。
(井上社長は前列右3人目)
今回の展示会には155の企業や団体により合板、製材、集成材、プレカット、乾燥、刃物、バイオマスなど各分野の最先端の製品が出展され、3日間の会期中に18,840人もの来場者が訪れました。
森林資源としての価値を高めた国産材に焦点を合わせた製材・合板機械などの出展をはじめ、深刻化する人手不足や生産合理化に対応するためAIやIoT・ロボットなど最新テクノロジーを活用した製品が注目されました。
長谷川英生委員長による開会挨拶
井上社長(前列右から1人目)
展示会には「技術優秀賞」という木材産業及び関連産業の発展に寄与する独創的かつ付加価値のある優秀な製品を称える独自の顕彰制度があります。今年は11点の申請があり、学識経験者など産学官の13人の審査員によって技術水準、独創性、経済効果の3項目を中心に評価され、5製品が受賞となりました。受賞5製品のうち3製品が合板検査装置で、AI技術等を活用した合板の材面検査を可能にした製品です。
材面検査は、表・裏面・側面(木口)の複数個所を有資格の検査員による目視検査が規格要求事項でありましたが、2023年1月に『合板についての取扱業者の認証の技術的基準』が改定されたことにより、機械による合板の品質検査が認められることになりました。
以前より日本合板工業組合連合会は、合板自動選別機の開発を目指して合板製造機械メーカーに開発依頼を行いながらJAS改定にも取り組んできました。その結果『合板についての取扱業者の認証の技術的基準』において、合板の製造に必要な機械器具の項目に「材面検査機」が新設され、材面検査は人による目視検査からカメラ等を用いた機械による検査が主流となる時代への転換期が訪れています。
SDGsの達成や2050年カーボンニュートラルの実現を目指す中で、大気中の炭素の吸収し固定化できる木材のマテリアル利用を推進する森林・木材産業の存在感は高まっており、産業のさらなる発展の機会が訪れています。今後は環境への配慮はもちろん、省力化、省人化による働き方の改革、AIやIoTを活用した最新鋭テクノロジーなど新しい価値基準が求められます。
当社は工場内の機械化や新技術の導入によって生産性の向上や製品の均質化を図り、国産材合板の利用を拡大しながら、森林資源の循環利用による持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。