国産合板の需要拡大等に重点~日合連「令和6年度通常総会」開催~

 当社社長の井上篤博が会長を務める日本合板工業組合連合会(日合連)の「令和6年度通常総会」が2024年5月9日、ホテルルポール麹町(東京都千代田区)を会場に開催されました。総会には林野庁の来賓のご臨席も賜り、令和6年度事業計画及び予算、新役員選任などが審議されました。

 総会で井上会長は国産合板の需要拡大、原木の持続的・安定的な確保、国際競争力の強化などを今年度事業計画の重点取り組みとして挙げました。合板用原木の持続的・安定的な確保に向け早生樹種活用のための研究を推進し、国産材のカスケード利用の徹底を求めていくとしました。また、国際競争力の強化のため合板製造施設設備の拡充の他、合板輸出拡大に向け検査試験機関等で構造用合板の強度試験を充実させていく旨を述べました。
 また、総会終了後の記者会見では「森林・林業基本計画」で策定された合板用材の国産材利用量の年間700万立方メートルの目標達成のためには需要の開拓が重要であるとして、現在JAS規格化に取り組んでいる「超厚合板・CLP(Cross Layered Plywood)」を新たな用途の一つとして挙げ、ユーザーの選択肢が広がることで木材利用がさらに促進されることに期待感を示しました。

総会で挨拶する井上会長
懇親会で交流を深める会員と賛助会員
懇親会で挨拶する井上会長
ご来賓の青山豊久林野庁長官と言葉を交わす井上会長

 CLPは単板を直交積層して従来の厚物合板を上回る厚みを得て中高層建築物にも利用できる木質建材として開発が進められています。高い強度を有し、断熱性、気密性、遮音性に優れており、単板によって構成されているため歩留まりが高く、品質と供給が安定しているなどのメリットがあります。JAS認証の取得を受けた厚さ50mmよりさらに厚い100mmから200mmの製品開発も進んでおり、木造住宅の耐震補強や木造の中高層ビル建築への利用を拡大するためにJAS規格化が急がれています。
 戸建て住宅や鉄骨造中層ビルへの利用はもちろん防音室、キッチンカー、屋外サウナなど様々な活用方法が広がります。

遮音性を生かした防音室
強度と木目を生かしたキッチンカー
断熱性を生かした屋外サウナ(左:タル型、右:ハコ型)
※出典:「近未来建材 超厚合板」パンフレット(宮城県CLT等普及推進協議会)

 2050年カーボンニュートラルの実現を目指す中で、大気中の炭素の吸収し固定化できる木材のカスケード利用の推進や住宅・非住宅建築物への木造木質化が求められています。今後CLPがJAS規格化され、市場において普及が図られることにより、都市の木質化が進み国産材利用の拡大も実現します。
 当社はこれからも『植える、育てる、収穫する、上手に使う。そしてまた植える』という永遠の緑の循環を守り、持続可能な森林経営を実践しながら、国産材合板の利用を一層拡大させて脱炭素社会の実現やSDGs達成に貢献していきます。

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